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お役立ちコラム

発達障害の子は文字を覚えるのが早い?その理由と親が知っておきたい大切な視点

  • 執筆者の写真: 相談 いーよ
    相談 いーよ
  • 2025年11月10日
  • 読了時間: 8分

「ひらがなは読めるのに、まだ二語文が出てこない」 「文字はすごく早く覚えたけれど、お友達との関わりが苦手」 そんなお子さんの姿に、もしかして「発達障害かも…?」と不安を感じたことはありませんか?


子どもの成長は十人十色。とはいえ、“平均的な発達”から少し外れていると、「うちの子、大丈夫かな」と感じてしまう親御さんはとても多いです。


実は、発達障害の特性を持つお子さんの中には、「文字や数字の覚えがとても早い」といった特徴を見せる子も一定数いらっしゃいます。

こうした特徴は、“できる”ことのように見えますが、その背景には独特な認知の偏りが隠れていることもあります。


この記事では、実際の診療現場で見られる事例や専門的な知見をもとに、「発達障害の子は文字を覚えるのが早い」と言われる理由や、親御さんが知っておくべき大切な視点について、わかりやすくお伝えします。



目次.

1.   発達障害の子は文字を覚えるのが早いって本当?


2.  なぜ文字の習得が早いのか?3つの理由

2-1. 視覚優位な情報処理

2-2. 特定の興味への集中力が高い

2-3. 意味理解ではなく「形」としての記憶


3.  文字を早く覚えたからといってコミュニケーションが“得意”とは限らない


4.  読み書きが早くても安心できない?注意すべき3つのサイン

4-1. 会話やコミュニケーションの遅れ

4-2. 鏡文字(左右反転の文字)の頻発

4-3. 書くことへの極端な苦手意識

5.   早い・遅いだけで判断しない。発達の“でこぼこ”を正しく捉え、理解する

5-1. 「頑張って」「早く元気出して」はNG?

5-2. 子どもの気持ちを受け止める会話のコツ

5-3. 家庭で安心できる時間・環境をつくる工夫

6.  読み書き発達を支援する親の関わり方

6-1. 読めることより「理解できること」を重視

6-2. 書く練習は「形を楽しむ遊び」から

6-3. 鏡文字が続くなら専門家に相談を

7.  実際の診療から:文字を早く覚えた発達障害の子どもたち


まとめ: もし気になることがあるなら… 専門家への相談を


 



1. 発達障害の子は文字を覚えるのが早いって本当?



勉強する子ども

 

「発達障害=成長が遅い」と思われがちですが、実際は「ある分野だけ突出して成長が早い」ということもよくあります。



私も診療の中で、

  • 2歳でひらがなが読めたんです。

  • 早くから看板の文字を、たくさん覚えていました。

といったケースを、実際に経験してきました。


ただし、そんなお子さんの中には、他の人との“言葉の キャッチボール”は苦手であったり、手先の不器用さなど、“微細運動”で発達の遅れが見られたり、いわゆる「発達のでこぼこ」が見られることも多々ありました。



2. なぜ文字の習得が早いのか?3つの理由



(1)視覚優位な情報処理


発達障害、とくにASD(自閉スペクトラム症)と診断されるお子さんの中には、「視覚優位」と呼ばれる認知スタイルを持つ子どもが多くいます。


これは、「耳からの情報」よりも「目からの情報」のほうが理解しやすく、記憶にも残りやすいという特徴です。


そのため、文字や記号、図形といった“視覚的なパターン”への反応が強く、「絵本の文字だけを見て覚える」「看板やラベルに異常に興味を持つ」といった様子が見られることがあります。


【参考データ】日本自閉症協会によると、ASDの子どもの約60%が視覚情報を好むとされています(2020年調査)



(2)特定の興味への集中力が高い


発達障害の特性があるお子さんには、「強いこだわり」「限定された興味の深堀り」が特徴として現れることがあります。 


このようなお子さんは、文字・数字・標識・電車の駅名など、パターンが明確なものに強い興味を示し、同じものを何度も繰り返すことで、同じ年齢のお子さんよりも、自然に早く習得してしまうのです。


臨床現場では、2歳前後ですでに五十音を覚えている子も一定数確認されています。



(3)意味理解ではなく「形」としての記憶


発達障害の中には、特定の記憶力が非常に優れているお子さんがいます。


たとえば「写真記憶(イメージで記憶する力)」や「語彙記憶(音や言葉の記憶)」が発達している子どもの場合、単語や文字列を丸ごと覚えてしまうことがあります。


これにより、まだ言葉の意味を理解する前から、見た文字を“読める”ように見えるのです。


【補足】発達障害を有するお子さんの中には、意味の理解が未発達でも文字を音読できるケースがあります。これは機械的な読み上げにすぎず、言語発達とは別であることに注意が必要です。

 

 


3. 文字を早く覚えたからといってコミュニケーションが“得意”とは限らない


並べられた色鉛筆

「読める」けれど「意味はわかっていない」ということもままあります。


また、発達障害のお子さんは、言葉の意味自体は理解していても、”文脈に即した言葉の選び方”“敬語”“比喩皮肉”といった高度なコミュニケーションが苦手なお子さんも散見されます。



また、「読む」はできても「書く」が苦手な子も。


特に、「鏡文字(左右反転した文字)」を書くお子さんは、発達性ディスレクシア(読み書き障害)の可能性もあるため、注意が必要です。




4. 読み書きが早くても安心できない?注意すべき3つのサイン


座りながら笑っている子ども

(1)会話やコミュニケーションの遅れ


文字を早く覚える一方で、言葉によるコミュニケーションが未熟な子もいます。


相手の気持ちを理解する、会話のキャッチボールをするなどの「社会的な言語能力」が弱い場合、ASDの可能性が考えられます。



(2)鏡文字(左右反転の文字)の頻発


「さ」や「と」などの文字が反転して書かれている——これは鏡文字と呼ばれる現象で、一般的に、視覚と運動の協調が確立されてくる7歳頃までに自然に消失することが多いです。


しかし、7歳以降も鏡文字が持続している場合は、発達性ディスグラフィア(書字障害)や視覚性認知の課題を有している可能性が高まるため、注意が必要です。


【参考データ】文部科学省の2019年調査によると、小学校低学年の約8%が鏡文字を書いた経験があり、そのうち発達障害と診断された割合は約30%でした。



(3)書くことへの極端な苦手意識


文字を読むのは得意でも、書くのが極端に苦手という場合、「発達性ディスグラフィア」などの読み書き障害(LD)の可能性もあります。これは「読み」と「書き」の発達が一致しない子によく見られる傾向です。


 

5. 早い・遅いだけで判断しない。発達の“でこぼこ”を正しく捉え、理解する



成長には個人差があり、早いから優秀、遅いから問題、というわけではありません。


発達障害を有するお子さんは、とくに「できること」と「できないこと」の差が大きく、“でこぼこ”の形で発達していきます。


一見すると「優秀」と思える能力の裏に、実は「日常生活での困りごと」「人間関係の難しさ」が隠れていることも。


表面的な“できる”にとらわれず、お子さんの全体像を丁寧に見ていくことが大切です。



特に、できるところがあると、苦手なところを本人が意識しすぎてしまい、周りからは問題ないように見えても、本人は過剰に苦痛を感じてしまっていることもあります。


また、できているところをまわりから評価されることで、他の領域もできるでしょと過剰な期待をかけられてしまったりすることにも、注意が必要です。



6.  読み書き発達を支援する親の関わり方


(1) 読めることより「理解できること」を重視


読みの“理解力”を育てるには、単語をただ「読む」だけでなく、音読+簡単な質問形式の読み聞かせが有効です。


たとえば、「この子はどう思ったのかな?」「どこへ行ったのかな?」など、ストーリーを一緒にたどる対話が理解力を育てます。



(2) 書く練習は「形を楽しむ遊び」から


粘土、スタンプ、なぞり書きなどを通して、文字の“形”に親しむことから始めましょう。


無理に正しい書き方を教えるよりも、まずは「書くって楽しい」と思ってもらうことが大切です。



(3)鏡文字が続くなら専門家に相談を


就学前後になっても頻繁に鏡文字が見られる場合、専門的な評価を受けることをおすすめします。




まとめ: もし気になることがあるなら… 専門家への相談を


遊んでいる子ども

お子さんの様子を見ていて、「少し気になるな」「周りとちょっと違うかも」と思ったとき、親御さんとしては悩みますよね。


多くの場合、お子さんの発達には、得意・不得意の偏りがあることは珍しくありません。


「文字を早く覚えた」という事実は、お子さんのひとつの“才能”であると同時に、発達の特性を示すサインでもあります。


「様子を見ていていいのか」「どこに相談すればいいのか」「話しても大丈夫なのか」——その迷いに、専門家の視点が役立ちます。


当サイトでは、子育て中の親御さんからの声を受け、女性の発達専門医によるオンライン相談を行っています。

自宅から気軽に相談できる、 診断ではなく「まずは理解する」ことが目的のため、初めてのご相談でも安心です。


「ちょっと聞いてみたい」「発達の偏りかどうかを知りたい」

そんな気持ちに、丁寧にお応えします。


まずはお気軽に、私たちの「女性専門医によるオンライン相談」をご活用ください。

ご家庭にいながら、安心して話せる場をご提供しています。

 

 


 

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