ASDとADHDの違いとは?知っておきたい見分け方
- 相談 いーよ
- 2025年11月15日
- 読了時間: 7分
更新日:2025年11月17日
「うちの子、他の子と少し違う気がするけど、ASDなのかADHDなのか分からない…」
そう悩む親御さんは非常に多くいらっしゃいます。
幼児〜小学生では、ASDとADHDの特徴が似て見えることも珍しくありません。
臨床の場でも、「この子の困難感は、ASDとADHDどちらの特性からきているのかな?」と悩むケースはよくあります。
ASDとADHDは約30〜50%が併存するとも言われており、発達段階によっては特徴が隠れたり強く出たりするため、保護者が見分けるのは簡単ではありません。
この記事では、ASDとADHDの違い・見分け方・家庭でのサポート方法・相談先を分かりやすく解説していきます。
目次.
1-1. ASD(自閉スペクトラム症)とは?特徴とチェックリスト
1-2. ADHD(注意欠如・多動症)とは?特徴とチェックリスト
2-1. コミュニケーションの質の違い
2-2. 行動の目的の違い
2-3. 興味・得意不得意の傾向
2-4. 集団の中でのつまずき方
3-1. ASDとADHDが併存するケースもある
3-2. 年齢による症状の変遷
3-3. 実際のケース①:ASDの「多動」とADHDの「多動」
3-4. 実際のケース②:ASDの「話を聞かない」とADHDの「話を聞かない」
4-1. 否定せず「困っている背景」を見る
4-2. ASDの子へのサポート例
4-3. ADHDの子へのサポート例
4-4. きょうだい・家族の理解を深めるには
5-1. 相談すべきサインとは?
5-2. 小児科・発達外来・発達支援センターの違い
5-3.「診断がつかないけれど困っている」場合の対応
5-4. オンライン相談で気軽に専門家へ
1. ASDとADHDとは?まずは基本の理解から

(1) ASD(自閉スペクトラム症)とは?特徴とチェックリスト
ASDの特性は、①対人関係・コミュニケーションの困難 ②興味や行動の偏り(こだわり)です。
ASDのお子さんに見られやすいサイン:
目を合わせにくい
名前を呼ばれても反応が弱い
同じ遊びばかり繰り返す
集団での行動が苦手
音・光・服のタグなど感覚の刺激に敏感/鈍感
予定の変更が極端に苦手
ASDチェックリスト(幼児・小学生向け)
□ことばのやり取りがぎこちない
□空気を読むことが難しい
□「友だちと協力して遊ぶ」が長続きしない
□興味が偏っている、切り替えが難しい
□思い通りにいかないとパニックになりやすい
(2) ADHD(注意欠如・多動症)とは?特徴とチェックリスト
ADHDの特徴は、①不注意 ②多動性の2つです。
見られやすいサイン:
じっと座っていられない
集中が続かない
忘れ物・なくし物が多い
しゃべり続ける/順番を待てない
衝動的に行動してしまう
ADHDチェックリスト(幼児・小学生向け)
□椅子に座っての活動が苦痛
□注意がそれやすい
□思いついたらすぐ行動してしまう
□友だちとのトラブルが多い
□身支度・宿題が極端に時間がかかる
(より詳しく、ASDとADHDの診断について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。)
2. ASDとADHDの主な違い
ここでは、親ごさんが日常場面で気づきやすい違いをわかりやすく説明していきます。
(1) コミュニケーションの質の違い
ASD:相手の気持ちを読み取りにくく、ずれが起こりやすい。
ADHD:会話はできるが、注意散漫で話が飛ぶ。
(2) 行動の目的の違い
ASD:ルールやこだわりが原因で同じ行動を繰り返す。
ADHD:刺激を求めて動き続ける、衝動的に行動する。
(3) 興味・得意不得意の傾向
ASD:興味が限定的。
ADHD:興味が次々移り変わる。
(4) 集団の中でのつまずき方
ASD:人間関係・社会的ルールの理解が難しい。
ADHD:順番を待つ・集中して活動することが難しい。
3. ASDとADHDはなぜ混同されやすいのか?

年齢によってお子さんの症状は、変わっていきます。
また一見、ASDとADHDは全く違う特徴を持っているようにみえますが、表面に出てくる“行動”は、とても似ていることもあり、そのため混同されることも。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
(1) ASDとADHDは併存するケースがある
研究では、両方の特徴をもつ子が30〜50%とされ、これも混同される大きな理由の1つです。
(2) 年齢による症状の変遷
幼少期はできることも少なく、言葉の発達も未熟なため、目につく症状は限られています。
また、タスクが多くなる小学生以降には、それまで見られなかった特性が、見られるようになることも。
これは、症状が出てきたというよりは、それまで目立たなかったものが目立つようになったと考えられます。
お子さんの年齢によって、目立ちやすい症状が変わるため、その時々で主となる特性が変わっているように感じられ、結果混同してしまうことにつながります。
(3) 実際のケース①:ASDの「多動」とADHDの「多動」
それでは、診療でよくある例をお示しします。
多動を主訴にいらっしゃった男の子。
一見するとADHDによる行動に思えますが、観察をしていくと、1対1対応をしている場面では多動はなく、集団で場面理解が苦手なために多動となっていたことが分かり、ASD傾向の診断となりました。
ASD → 場面理解が苦手で「どこにいればいいか分からず」動き回る
ADHD → 体を動かしたい、刺激がほしいから動いてしまう
見た目は同じ“多動”でも、背景はまったく違います。
(4) 実際のケース②:ASDの「話を聞かない」とADHDの「話を聞かない」
次は、話を聞かないという主訴の女の子です。
不注意による行動かなと思われがちですが、コミュニケーションの苦手さから、指示理解が苦手なために話を聞いていないように思われていたことが分かり、ASD傾向の診断となりました。
ASD → 指示理解が苦手で結果「話を聞いていない」ようにみられてしまう
ADHD → 不注意から最後まで話を聞けない
このように、“行動”だけではなく、その奥にある理由を考えていくことは、お子さんを理解するのにとても大切であると考えています。
4. 家庭でできるサポートと声かけの工夫
では、このような特徴がみられた時に、おうちでどのように接してあげればいいのでしょうか?
(1) 否定せず「困っている背景」を見る
「また動いて!」ではなく「どうして動きたい気持ちになったの?」と理由を探る。
(2) ASDの子へのサポート例
見通しが立つと安心する → スケジュールの提示
ことばだけで説明しない → 絵・写真を使う
急な変化が苦手 → 予定変更を事前に伝える
(3) ADHDの子へのサポート例
1つの指示を短くする
できたらすぐに褒める
体の動きを許容した環境づくり(立って作業など)
(4) 家族・きょうだいの理解
「わざとじゃない」という理解があるだけでトラブルは減ります。
また、発達障害の兄弟児は、無意識のうちに我慢したり、また注意が兄弟に向きやすいことで淋しさを抱えやすいことがわかっています。
兄弟児の状況を説明し、2人だけの時間をとってあげることは、兄弟の仲をよくするためにも有効と考えられます。
5. 専門家に相談するタイミングと窓口

(1) 相談すべきサイン
問題行動が増えてきた
友だちとの関係で困りが続く
家庭での育てづらさが強くなってきた
親の不安が大きい
(2) 小児科・発達外来・発達支援センターの違い
小児科:身体の病気の除外
発達外来:専門医による診断
支援センター:発達相談・療育などの支援
(3)「診断がつかないけれど困っている」場合の対応
グレーゾーンのお子さんは診断がつかないことも多いですが、困っているという事は、支援が必要なサインです。
年齢があがるにつれて、お子さんの環境は複雑になることが多いので、早めに相談して困難感を少なくしていきましょう。
(4) オンライン相談で気軽に専門家へ
「病院に行くべきかわからない」「まず話だけ聞いてほしい」そんなときほど、専門医のオンライン相談が役立ちます。
また、相談することのメリットをまとめた記事もあるので、ぜひ参考にしてみて下さい。
まとめ: 一人で悩まないで 女性専門医にオンラインで相談できます

お子さんの様子を見ていて、「少し気になるな」「周りとちょっと違うかも」と思ったとき、親御さんとしては悩みますよね。
多くの場合、お子さんの発達には、得意・不得意の偏りがあることは珍しくありません。
「様子を見ていていいのか」「どこに相談すればいいのか」「話しても大丈夫なのか」——その迷いに、専門家の視点が役立ちます。
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