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お役立ちコラム

発達障害グレーゾーンの子どもとは?3歳〜中学生までの特徴と親ができる対応

  • 執筆者の写真: 相談 いーよ
    相談 いーよ
  • 2025年10月28日
  • 読了時間: 14分

更新日:2025年11月15日


「言葉の発達が少し遅い気がする」

「集団行動が苦手で幼稚園や学校で浮いてしまう」


それでも医療機関では「様子を見ましょう」と言われて、戸惑った経験はありませんか?



こうしたお子さんたちは、「発達障害グレーゾーン」と呼ばれる診断の境界にいるかもしれません。

グレーゾーンのお子さんは、発達障害の診断基準は満たさないものの、生活や学習に困りごとを抱えやすいのが特徴です。


本人やご両親の困難感は、診断がつくお子さんよりも多くなってしまうケースも。



この記事では、3歳〜中学生までの年齢別に現れるグレーゾーンのサイン、関わり方、相談先について詳しく解説します。


診断がつかないからこそ見過ごされやすい「気になる行動」との向き合い方を理解し、お子さんを支える第一歩を踏み出しましょう。



目次.

1-1.  診断されない「グレーゾーン」とは?

1-2.  グレーゾーンが見過ごされやすい理由

1-3.早期発見・早期ブレーキが大切なわけ

2-1.ASDグレーゾーン

2-2.ADHDグレーゾーン

2-3.LDグレーゾーン

2-4.境界域知能


3-1.幼児期:幼稚園で浮いてしまう特徴とは?

3-2.小学生:学習・友達での困りごとが表面化

3-3.中高生:思春期と特性のぶつかり合い

4-1.期待される分、叱られやすい

4-2.自己否定感の低下

4-3.学校と家でのギャップから生じる親の疲弊

4-4.支援が受けにくい「グレー」の課題とは?

4-5.意外に女子も困っている?

5-1.「診断がない=問題がない」ではない

5-2.否定しない・比べない・焦らせない対応

5-3.学校や支援機関と上手に連携するには

5-4.二次障害を防ぐには「まず親の安心」から

5-5.専門家に相談すべきサインとは?

6-1.すぐに受診すべき?それとも様子見?

6-2.地域の相談機関

6-3.早めの情報収集が子どもを守るカギ

 



1.発達障害グレーゾーンとは?診断がつかない子どもたち


鉛筆

 

診断されない「グレーゾーン」とは?


発達障害グレーゾーンとは、発達障害の診断基準を満たさないものの、「発達のかたより」によって日常生活に困難をかかえている状態をさします。


近年、厚生労働省の報告(2021)でも「発達障害の傾向があるが、診断に至らない児童生徒」への支援の必要性が強調されています。

 


グレーゾーンが見過ごされやすい理由


グレーゾーンのお子さんが見過ごされやすい理由としては、以下があげられます。

 

 ①成績は問題ないため「だいじょうぶ」と見なされがち

 ②家では問題が目立たず、学校のみで困りごとが顕在化

 ③「もう少し様子を見ましょう」と言われ時間がたってしまう

 

 1つずつ、詳しくみていきましょう。

 


①成績は問題ないため「だいじょうぶ」と見なされがち


 グレーゾーンの特性をもつお子さんは、成績は問題なく(むしろ成績優秀な場合も)、学校で問題を指摘されることは多くありません。


しかし、お子さんをより注意深く観察してみると、コミュニケーションの問題(比喩皮肉がわからない、友達と会話がかみ合わない)や物事の捉え方の偏りなど、気になる特性がみえてきます。そんな特性も、経験でカバーし、表面上は大きな問題行動が認められないケースも多いため、見過ごされてしまうこともよくあります。

 


②家では問題が目立たず、学校のみで困りごとが顕在化


グレーゾーンのお子さんは、自分が不得意な状況では、周囲も驚くほどの不適応を示します。

しかし、安心する状況に戻れば普段の様子に戻るため、一時的な事だったのかと思われ、介入につながりにくくなってしまいます。


実際、文部科学省(2023)によると、通常学級に在籍する児童のうち、約6.5%に発達上の特性がありながら診断を受けていない可能性があると報告されています。

 


また、「受け身のASD」などの問題行動がみられにくいお子さんは、専門家がみれば気になる点があっても、親御さんはお子さんの特性に気づかれていないといったケースもあります。

 

(そのほか、詳しい発達障害の種類などについては、こちらの記事もご覧ください。)


 


③「もう少し様子を見ましょう」と言われ時間がたってしまう


実際に、診断には至らないお子さんであれば、お近くの小児科などで相談された場合、様子を見ましょうと言われる場合も多いかもしれません。これは、小さいお子さんはできることも少なく、言葉で自分の気持ちを表現することも難しいため、困っている症状の原因が、どの特性によって出現しているか分かりにくいことも多いからです。


一方で親御さんは、いつまで様子を見ていれば良いのか、様子をみるだけで本当に良いのか心配になられると思います。もし、お子さんもお母さんも日々の生活を楽しく生活できているのであれば、様子見で問題ないと思います。ただし、グレーゾーン含め発達障害は、早期介入が大切と言われており、日常生活で困難感があれば、早めに対応していくべきと私は考えています。

 


早期発見・早期ブレーキが重要なわけ


発達障害は、お子さんの症状をもとに診断されます。

身体の病気のように、ある数値以上になったら診断に至るというような「指標」がありません。


目に見えないからこそ、発達障害に対して非常に不安に思われる親御さんもいらっしゃいます。


また、支援につながらないことで適切な対応ができず、お子さんやお母さんの傷つきが深くなってしまうことも少なくありません。



診断の有無にかかわらず、早期に特性に気づいてサポートを始めることで、お子さんの自己肯定感の低下や、不登校・うつなどの2次障害を防ぐことができます(岡田, 2018)



特にグレーゾーンのお子さんは、社会的な関りが増える中学生以降に困難感が顕在化しやすい一方で、中学生以降に支援を入れようとしても、本人の拒否感が強く支援がなかなか入らないことも多いため、早期からの支援が特に重要と考えています。



その一方で、お子さんの発達を過剰に気にされる結果、疲れ切ってしまっているお母さんもいらっしゃいます。


療育などの支援もすべて、お子さんが幸せに健やかに育っていくための手段です。

そしてお子さんは、驚くような成長力を持っていらっしゃいます。


なので、瞬間瞬間のできるできないに振り回されず、お子さんの成長を楽しみながらアシストしていってあげて欲しいと思います。



 

2.各疾患のグレーゾーンの特徴


レゴで遊ぶ子供たち

ASDグレーゾーン


ASD(自閉スペクトラム症)は、


①コミュニケーションや対人関係の障害

②興味の限局(こだわり)


の2つが認められます。


グレーゾーンは、どちらかのみ、または、両方ともが軽く認められ状態のことを指します。


(ASDの診断についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。)


 


グレーゾーンのお子さんでは、言葉のやりとりそのものよりも、より高度なスキルが求められる非言語的なやりとり(表情や状況を読む)が苦手な傾向があります。

そのため、年齢があがってきてから、友達とのトラブルなど問題が出てきてしまう傾向があります。


 

ADHDグレーゾーン


ADHD(注意欠如多動症)は、


①不注意

②多動性


の特徴がある発達障害です。こちらも、グレーゾーンといわれるお子さんは、診断に至らない程度の特性をもっています。


 

多動型は目につきやすいため低年齢で支援につながるケースが多いですが、不注意型は問題行動につながりにくいため、見落とされてしまうこともあります。


ですが、本人にとっては、日常生活をおくるのに非常に労力を要するため、疲労がたまりやすかったり、努力のわりに評価が得られず自己評価の低下がおきやすかったりします。


 

LDグレーゾーン


LD(学習障害)は、知的には問題がないのに、学習に関する能力に課題が生じる発達障害です。


大きく分けると以下の3つのタイプがあります。

 

①識字障害

②書字障害

③算数障害

 

LDグレーゾーンのお子さんも、診断には至らない程度の困難感を示します。


 

境界域知能


厳密には発達障害には含まれませんが、知的な面においても、グレーゾーンといわれるIQが存在します。

知能指数でいうと、IQ:85-70が境界域知能に該当します。


境界域知能をもつお子さんも、一見なんの問題もなく生活に適応できているようにみえますが、所々で理解が深まりきらず、傷つきや誤解を経験してしまうことが多くなってしまいます。

 

 


3. 自宅でできるグレーゾーンのチェックポイント【各年齢まとめ】


▸幼児期(0~5歳)


幼児期のグレーゾーンのお子さんには、以下のような特徴がみられることがあります。

 

  • 言葉の遅れ:1歳で有意な発語がない、3歳になっても2語文が出ない、などの明らかな遅れではないが、少しずつ遅れている。

  • こだわり

  • 頻回の癇癪

  • 名前を呼んでも反応がない/聞こえていないように見える

  • 言葉よりもジェスチャーに頼りがち

  • ごっこ遊びや他児とのやりとりが苦手

  • 気持ちの切り替えに時間がかかる

  • 新しい環境や予定変更を過剰に不安がる

 

チェックポイント

特に幼児の保護者からは「育てにくさを感じる」といった声が多く、これは実際に発達特性のサインであることが少なくありません(厚生労働省, 2020)。

 


▸小学生(6‐12歳)


集団生活のルールや協調性など、より高度な適応が求められる小学生になると、幼少期には一見問題のなかったお子さんが、困り感を感じる場面もでてきます。


具体的な例をみていきましょう。

 

  • 集団行動が苦手、空気が読めない

  • 感情コントロールが苦手

  • 忘れ物が多い

  • 先生からの指摘が多い

  • 同じ失敗(忘れ物や遅刻など)を何度も繰り返す

  • 少しの刺激(音・におい・服の感触など)に過敏に反応する

  • 冗談や皮肉が通じず、真に受ける

  • 切り替えが苦手で学校生活についていけない

 

チェックポイント

医療機関では診断がつかず、孤立感を感じやすくなります。

 


▸中学生(13-16歳)


グレーゾーンのお子さんが思春期になると、本人の特性がより顕著に現れるようになります。

それに伴い、こころの問題(反抗・暴力・自傷)も認められやすくなります。

 

  • 冗談や比喩表現を理解しにくい

  • 授業の流れを読み取れず、指示を聞き逃しやすい

  • SNSトラブルや対人不安が増えてきた

  • 不登校や引きこもりがちになっている

  • 過剰な正義感

  • 白黒つけないと気がすまない

  • 感覚過敏の増悪

  • 人の目を過剰に気にして外に出られない

  • 自分に対する、過小・過大評価

  • 被害的にとらえやすい

 

チェックポイント

通常級・支援級・通信制高校など、進学の選択肢は多様ですが、本人に合った選択をするためには早期の情報収集が不可欠です。



4. グレーゾーンの子どもに起こりやすい困りごと


色鉛筆

期待される分、叱られやすい


グレーゾーンのお子さんは、「しゃべっても違和感が少ない」「おしゃべりが上手なお子さんも多い」ため、「できて当然」と思われやすい一方、発達の偏りからうまくいかないことも多く、叱責される機会が増えがちです。


また、自分としても、できないことに違和感を感じやすくなり、自己肯定感が低下する傾向が強まります(岡田, 2018)。

 


自己否定感の低下


「何度やっても怒られる」「自分はダメだ」といった思いが蓄積すると、子どもは挑戦することを避けるようになります。

これは将来の自己効力感や学習意欲にも大きく影響します。

 


学校と家でのギャップから生じる親の疲弊


「学校では問題児扱い」「家では問題がない」といった両極端な評価を受けることで、保護者が板挟みになるケースも多く見られます。

日本発達心理学会(2022)はこのようなギャップにより、親の育児ストレスが高まる傾向があると報告しています。

 


支援が受けにくい「グレー」の課題とは?


診断がないことで支援が受けられない、療育や通級の対象外となる、学校側の理解が得られにくいなど、「支援のはざま」に置かれやすいのがグレーゾーンのお子さんです。


その分、まわりの理解がお子さんには欠かせないものとなります。

 


意外に女子も困っている?


発達障害というと、男の子に多いという印象をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、意外に女の子でも発達特性をもっているお子さんはたくさんいらっしゃいます。


女の子は、周りと合わせる能力が高いために、表面上特性が目立たないことも多いですが、本人に深くお話を聞くと、困難感が発達特性から生じていることも多いです。


 

5. グレーゾーンの子どもに親ができる関わり方


本と鉛筆

「診断がない=問題がない」ではないことを理解


発達障害の診断はあくまで支援のための一つの手段であり、診断がつかなくても「困っている状態」があるならば支援は必要です。

日本小児精神神経学会(2022)でも、「グレーゾーンの子どもに対して、支援を行わないことのリスクは大きい」とされています。

 


否定しない・比べない・焦らせない対応


「どうしてできないの?」「お兄ちゃんはできるのに」など、他人との比較や叱責は逆効果です。

本人のペースを尊重し、小さな成功を肯定的に捉えることが、安心感と自尊心の土台になります。

 


学校や支援機関と上手に連携するには


学校との連携には「伝える力」と「共有するツール」が重要です。たとえば行動記録や、困りごとのメモなどを活用し、担任・スクールカウンセラー・特別支援コーディネーターと具体的に情報を共有しましょう。

 


2次障害を防ぐには「まず親の安心」から


お子さんの情緒は、親御さんの心理状態と密接に関係しています。


保護者自身がカウンセリングを受けたり、相談先を持つことで、気持ちが整理され、お子さんへの接し方にもゆとりがうまれます。


厚労省の調査(2020)でも、保護者の方への支援が子どもへの支援に直結することが報告されています。

 


専門家に相談すべきサインとは?


  • 子ども自身が「学校に行きたくない」「自分はだめだ」と言うようになった

  • 親子関係がギクシャクしている

  • 保護者が「どう関わればいいかわからない」と限界を感じている

こうしたサインが現れたときは、ためらわずに専門家に相談しましょう。




6. どこに相談すればいい?発達障害グレーゾーンの専門的支援とは


発達検査を受けるべきか迷うとき すぐに受診すべき?それとも様子見?


発達検査は「診断のための道具」ではなく、「子どもの得意・不得意を見つける補助ツール」です。


判断に迷ったときは、まず相談だけでもOKです。困りごとの程度によっては、まずは保護者のみの相談でも十分効果があります。

 


地域の相談機関など


市区町村の保健センター、教育相談室、児童発達支援センターなどでも相談は可能です。

いきなり対面で相談するのに抵抗がある場合は、いちど非対面の相談も検討してみて下さい。

 


早めの情報収集が子どもを守るカギ


SNSやネット情報に惑わされず、公的機関や専門家が発信する正確な情報を集めることも大切です。

このサイトでは、お薦め図書なども公開していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。





7.一人で悩まないで  女性専門医にオンラインで相談できます


健やかに遊ぶ子ども

私は、発達障害は「病気」ではなく、あくまで「個性」や「気質」だと考えています。

誰もが得意・不得意を持っているように、発達障害のお子さんたちにもそれぞれの個性があります。


それぞれのお子さんの個性を知ることは、その子がすくすくと育っていける環境を整える支援につなげるための出発点です。


大切なのは、「困っていることがある」=「支援が必要なサイン」と早めに気づき、その子に寄り添うことです。



実際私も、それぞれの成長過程で必要な関わりを提供してあげることで、お子さん達がぐんぐん成長していく頼もしい姿を拝見してきました。

 


そうは言っても、いきなり病院に行くのには抵抗感や不安があると思います。


そんな場合は、まずこのサイトでご相談いただき、各年齢のお子さん方のつまずきやすいポイントや、親御さんの不安をお話いただき、お子さんに必要な支援を一緒に探っていけたら嬉しいです。

 


大切なのは「早く診断をつけること」ではなく、「その子に合った支援につなげていくこと」


まずはお気軽に、私たちの「女性専門医によるオンライン相談」をご活用ください。

ご家庭にいながら、安心して話せる場をご提供しています。

 

 


 

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